今では、小学生でもダイエットを始める子供がいて、これが初経を遅らせていることもあるのです。
さらに、最近は若い人から中年女性に至るまでダイエットをきっかけに、いわゆる拒食症に陥る人が増えています。
この場合、悪化するとほとんどの人に無月経が起こります。
こうした場合、いずれにしても原因を除去して早めに治療を開始することが大切です。
ストレスやダイエットなどが原因であれば、まずその原因を取り除きます。
それで月経が回復することも多いのですが、ひどくなると、ホルモン剤による治療が必要になります。
そして、たかがダイエットと言っても無月経を長く放置すると、治療も難しくなります。
とくに、思春期の女性の場合性機能そのものがまだ発達途中なので、
早くきちんと治療をしておかないと、後に不妊症に悩むことも少なくはないのです。
若い頃の無謀なダイエットが生涯にわたる後悔にならないようにしたいもの。
月経が止まった状態が2~3カ月続いたら婦人科で診察を受けるようにしましょう。
月経不順(月経周期の異常)
ふつう月経は30日前後のサイクルで繰り返されています。
とはいえ、今お話ししたように月経は環境やストレス、体調などの影響を受けやすいものです。
周期が割合一定している人でも、その時の状態で早くなったり遅くなったりすることもあります。
また、毎回ずれるという人もいます。
したがって、多少のばらつきにはあまり神経質になる必要はありません。
とくに閉経まじかになると月経の周期が乱れてきますし、思春期でも同様です。
しかし、極端に周期が短かくてたびたび月経になる、逆に数か月に一度しか月経にならないとなると、
不妊症の原因になることもあるので、きちんと調べてもらいましょう。
月経周期が短く、月経が頻繁に来る▶︎▶︎頻月経
月経周期が24日より短いために、月経が たびたび来るものを頻発月経と言います。
月に2回も3回も月経になるとしたら、これは おかしいと考えなくてはなりません。
この場合、無排卵性か排卵性かに分けられます。無排卵性というのは、文字どおり卵巣からの排卵がない場合です。
思春期や閉経前にはよく起こります。
月経血の量は少ないのに、10日も2週間もダラダラと月経が続くことが多いのが特徴です。
この場合、排卵がないので当然妊娠できません。そのため、妊娠を希望する場合は排卵誘発剤を使います。
また、月経が頻繁で貧血を起こしている場合は、その治療も必要になります。
一方、排卵がある場合は、卵胞期(卵胞が成熟して子宮内膜が厚くなる時期・月経の開始から排卵までの時期)が
短くなっている場合と黄体期(排卵から月経開始までの時期)が短くなっている場合があります。
卵胞期が短くて排卵が早く起こり、頻発月経になるケースは、思春期や更年期に多く見られます。
反対に黄体期が短くなって起こる頻発月経は、不妊症や流産の原因として重視されています。
黄体ホルモンの分泌が不十分なので、受精卵が育つ子宮内膜の受入れ体制が十分にできないのです。
そのため、卵子が受精しても子宮内膜に着床できず、不妊となることがあるのです。
この場合も、必要に応じてホルモン剤などによる治療が行われます。