大きく分けると3つあります。
1つ目は、体内で熱が作れない場合です。
基礎代謝は、1日のエネルギー消費の60~70%を占めています。
体の部位ごとに基礎代謝を分けると、筋肉が約38%、肝臓が約12%、
胃腸と腎臓がそれぞれ約8%、脾臓が約6%、心臓が約4%、その他が約24%。
つまり筋肉量が少ないと、生み出せる熱が少ないのです。
男性より女性に冷えを感じる人の割合が多いのは、女性の方が筋肉量が少ないからです。
ちなみに体重に対する筋肉量は、男性が約40%なのに対して女性は約36%といわれています。
だから間違ったダイエットで、さらに筋肉量を減らしてしまうと慢性的な冷えに結びついてしまう可能性があるのです。
2つ目は、作られた熱が全身に届かない場合です。
その主原因は、自律神経のバランスの乱れ。
バランスが乱れると、血流が滞り全身に熱が送られなくなってしまいます。
これはエアコンの効いた室内と暑い屋外を出入りして、血管が収縮したり拡張したりすることでも起こります。
不安やストレスが原因となっていることもあります。
食べ過ぎも冷えの要因です。食べ過ぎると消化のために血液が胃腸に集まってしまい、
熱産生量の多い筋肉やほかの器官への血液供給が減ってしまうからです。
高脂肪食品や塩分の多い食べ物、スイーツなどの甘い物はつい食べ過ぎてしまいます。
これらは冷え対策のためだけでなく、健康維持のためにも控えることが重要です。
3つ目は、体内の熱が逃げやすいという場合です。
「1日2リットルの水分を補給しましょう」という言葉を聞いたことがあると思いますが、
これは汗をかいたり排尿したりして水分をちゃんと排出している場合のことです。
血流が悪くて体が冷えているため汗をかかず、水分が十分に排出されていない人は体に不要な水分がたまり、
冷えやすくなってしまうのです。
また、皮下脂肪の量も問題です。脂肪には断熱効果があります。
しかし、筋肉とは異なり脂肪には血管がほとんどないので、熱が加わってもその熱が全身に伝わりにくいのです。
冷えによって起こる症状は、人それぞれです。
特に冬は足先、指先が冷えるなど、体のほとんどの部分で冷えを感じる場合が多いようです。
反対に夏は、肩やお腹など、体幹部に冷えを感じる人が増えているといわれています。
それがひどくなると、疲労感、不眠、イライラ、集中力の欠如、偏頭痛、肩こり、食欲不振、目の下のクマなど、
さまざまな症状となって現れます。